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昆虫食の安全管理 その2

さて、実際のところ昆虫アレルギーはどのくらいの頻度で起きているのでしょうか?

私(三橋)が観測した中では、1/2000程度です。


私は大学祭で毎年、昆虫料理の試食会を行なっています。

そこでは、主にカイコ蛹を使用した料理を無料で提供し、昆虫食に対する意識調査を行なっています。

非常に人気のある企画で、2年間でのべ900名以上の方が昆虫を実際に食べました。

試食者の大半は初めて昆虫食に挑戦する人でした。

そのうち、20代の男性1名がアレルギーを発症しました。

彼は過去に市販のカイコ蛹粉末を使用した料理を食べた経験があり、その時は何の異常も見られませんでした。

しかし、私の試食会に参加した時は2日間ほぼ睡眠を取らず、極度の疲労が蓄積した状態だったとのことでした。

この事例から、昆虫アレルギーを持っていなくても、疲労時にはアレルギーを発症する可能性があることがわかりました。

さて、そのメカニズムは何なのでしょうか。


仮性アレルゲンと呼ばれる物質群があります。

これは、食物に一般的に含まれるヒスタミンやコリン、セロトニンなどの食物アレルギーを引き起こしやすい性質を持つ物質群のことです。

この仮性アレルゲンを多く含む食物を、体調不良時や他のアレルギーを発症している時に食べると、食物アレルギーを発症することがあります。

昆虫にはこの仮性アレルゲンが多く含まれているのではないかと私は考えています。(根拠となるデータは持っていません)

体調不良時には昆虫に初挑戦しないことをオススメします


彼がアレルギーを発症した要因はもうひとつ考えられます。

食べた昆虫の加工度です。

彼が初めてカイコを食べたのは市販のカイコ蛹粉末(主に釣りエサ用)であり、高度に加熱、乾燥されています。

私の試食会では「新鮮なカイコ蛹の天ぷら」を提供していました。

天ぷらは高温でサクッと揚げたものであり、じっくりと長時間加熱したものではありません。

その結果、天ぷらではカイコ蛹が持つアレルゲンの活性が低下しなかった、ということが考えられます。

アレルゲンは加熱により、程度の差はありますが、活性が低下します。

初めての昆虫食は、じっくりと長時間加熱したものをオススメします


昆虫料理の試食会を行なっているのは私だけではありません。

e-ismメンバーで、昆虫料理研究家の内山昭一氏は、10年前から毎月、昆虫料理の試食会を行なっています。

毎回20名前後の人が集まるわけですから、20名×12ヶ月×10年=2400名の人々が昆虫料理にチャレンジしていることになります。

実際はリピーターも多いので、試食会で初めて昆虫を食べた人は、その半分程度の1200名だとしましょう。

そして内山氏曰く、それだけ多くの人々が昆虫食に初挑戦したにも関わらず、アレルギーを発症した人は一人もいないとのことでした。

以上から、私の試食会と内山氏の試食会で昆虫食に初挑戦した人を合計すると、約2000名となります。

アレルギー発症者は1名ですので、現時点ではアレルギー発症率は1/2000となります。


次回はこの数字が大きいのかどうかについて考えていきます。

<三橋亮太>
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