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なぜワタシは昆虫に食欲がわかないのか?

自己紹介twitterやってます
佐伯真二郎です。
昆虫料理研究を始めて はや4年
今回はそのきっかけを紹介します。

2008年のこと。
当時学部4年で仙台在住。ショウジョウバエの研究を始めて半年ぐらいで
学祭に畑正憲氏 「ムツゴロウさん」が講演に来たので聞きに行った。

彼の話はぶっ飛んでいた。
クマの冬眠の状態変化が測定したかったが分析機器がないのでフンを舐めて味を確かめた
学生時代は実験に使用した動物をひと通り食べてみた。
アメーバや大腸菌は増やすのに苦労した。

ゾウに殺されかけた。

などなど。ムツゴロウ王国では放送出来ない話が盛りだくさん。

その後、研究室に戻りハエの世話をしながらふと思った。

「こいつらはどんな味なんだろう?」
よく増え、管理もラクで、おそらく栄養も豊富。これを日常食にできないか。
と考えた所ですこし気持ち悪くなった

そこで 考えた 

 「なぜワタシは昆虫に食欲がわかないのか」

google検索をかけ「昆虫 料理」
amazonで ヒットしたのは「楽しい昆虫料理」

楽しい昆虫料理楽しい昆虫料理
(2008/07/18)
内山 昭一

商品詳細を見る


別の研究室のM先生に声をかけ、
当時ペットとして飼われていたマダガスカルゴキブリを譲ってくれるようお願いする。

そしてAmazonから本が到着し、
「第一回昆虫料理研究会仙台支部会」が開催されたのである
メニューは
「マダガスカルゴキブリのスープカレー」(クリックで拡大)madagoki-curry

ううむ 食欲がわかない

味の方は…うまい! これはうまい
スープカレーはカレースープと揚げた食材を併せて食べるので、
揚げマダゴキとの相性は抜群である。
食べなれない匂いを感じたが、イケる味だ。

そこで私は直感した
「なぜ私は昆虫に食欲がわかないのか」 の こたえ
「昆虫を食べたことがないから」

更に妄想は膨らむ
「昆虫を食べたことがなくて、昆虫を食べたいと思わないヒト」って
日本にどのくらい居るだろう?

参考<昆虫食彩館>
アンケート

およそ62%。日本では7965万人いる計算になる。

昆虫を食べたい人たち=28%の人たちと一緒にたのしむのはもちろん

「食べたことがないだけで昆虫料理が本当は好きな人」にお届けするため
昆虫料理開発に勤しみ、発信しつづけたい。(迷惑と言われようとも)
いまでは昆虫を見ると食欲がわくようになってしまった。

昔、某番組で「アレルギーが酷く洋ナシ以外食べられない少年」というものを見た。
昆虫食は試したのだろうか。
昆虫は80万種も記載されているのだから、そのうちどれかいけたのではないか。

ということで、
昆虫料理が多彩な料理文化の一端を担えることを目標にがんばっております。
次回は開発した昆虫料理をご紹介。

佐伯
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テーマ : 栄養
ジャンル : 学問・文化・芸術

私の昆虫食研究

末永氏の「私のイナゴ研究」に引き続き、三橋も自己紹介と研究紹介をしたい。
もし昆虫食研究を志す人が現れたとき、何かのヒントになるかもしれない。

私は現在、東京農工大学大学院の修士課程の大学院生である。
昆虫食について勉強し始めたのは、北海道大学農学部の学部2年生の時だ。
昆虫学の授業で出されたレポートのネタを探していて、図書館でたまたま三橋淳先生の「世界の食用昆虫」を手にとったのがきっかけだった。本を読み進めるうちに、「なんとなく面白そう、研究を頑張れば日本のトップになれるかも」と思い、昆虫食研究をすることを決めた。

その後、北大では昆虫学の研究室に入ったのだが、最後まで昆虫食研究を実現することはできなかった。
何の経験もない学部生が独力で行うには、研究というのは何もかもが難しすぎた。結局、ユキムシの生態研究を通じて、先生や先輩方から手取り足取り教わりながら研究というものを学んだ。

大学院は東京農工大農学府の昆虫学の研究室に進学した。
この研究室の先生は「応援するから、昆虫に関することなら何でも好きにやっていいぞ」という人だったからだ。
実際、今まで本当に好き勝手やらせてもらってきた。昆虫食研究をするには最高の環境だった。(まだ終わっていないけれど)

私のその後の進路だが、博士課程には進まず、一般的な食品化学メーカーに就職することにした。
私には博士課程という茨の道に進む勇気は無かった。昆虫食に人生を捧げるまでの覚悟は無かった。
その点、研究会メンバーの佐伯真二郎氏はすごい。
彼は紆余曲折を経て昆虫食研究で博士課程に進む予定だ。日本初の自然科学者の昆虫食博士になるかもしれない。
今後、本腰の入った昆虫食研究者が現れるかどうかは彼にかかっていると思う。


(ちょっと寄り道・・・)
何のバックグラウンドも持たずに、大学で昆虫食に関する研究を始めたいならば、どのような専攻に進めばいいのだろうか。

<素材に着目>
・農学部→昆虫学(食用昆虫の選定、養殖など)、食品工学(食用昆虫の特性分析、加工方法の開発など)
・薬学、栄養学部→食用昆虫の機能性成分の探索、栄養成分の探索など
<食べる人間に着目>
・文学部→文化人類学(どんな場所で、何のために昆虫が食べられ、どのような役割を果たしているのか?など)、心理学(何故昆虫食は嫌われるのか?など)
・経済学部→昆虫食は儲かるのか?など

見てわかるように、昆虫食研究はどんな分野からもアプローチできる
どんな学問を専攻していても昆虫食にこじつけることができる。
だから、研究に取り組むための情熱と基礎的な知識があれば、どんな環境でも昆虫食研究ができる。

ただ、昆虫食を大々的に謳っている研究室は非常に限られており、そこの先生方にはあまりいい顔をされないかもしれない。
「無理だ」と言われても独力でやり通すくらいの根性が大事だ。


さて、私の研究内容だが、大きく分けて3つのテーマを持っている。

(1) 昆虫は栄養があるのか?
 主に文献調査による。その結果、「昆虫の栄養価は特別に高いわけではなく、一般的な食品並みである」ということがわかった。また、一部の新規食用昆虫については、自身で栄養成分分析も行った。

(2) 昆虫を食べる意味とは何か?
 (1)の調査の結果、昆虫を食べる意味というのは栄養だけでは説明できないことがわかった。では、昆虫食にはどのような価値があるのだろうか。それを調べるために、私は昆虫料理の試食会を開催し、試食者の昆虫食に対する意識調査を行った。その結果、現在の日本においては、昆虫食はエンターテインメントとしての価値が高いことがわかった。

(3) 原発事故被災地域における昆虫に含まれる放射性物質の調査
 昨今の原発事故によって放射性物質が飛散し、被災地域に生息する昆虫の放射性物質汚染が危惧されている。もし現地の食用昆虫から高濃度の放射線量が検出されれば、現地での昆虫食慣行は衰退・滅亡してしまうかもしれない。また、安全に昆虫食を続けるためには、放射線量の検査が必要だと考えた。そこで、末永氏の協力を得て、福島県各地にてイナゴ・コオロギの採集、ならびに放射性セシウムの定量を行った。結果の概要は以下。
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2012/01/13/for-japan-locust-eaters-a-plague-of-cesium/#
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120112-OYT1T00052.htm

以上のように、私は特に一つのテーマに固執することなく、自由にやりたいことをやっている。

もう一つ、もっとも重要な研究成果がある。それは食用昆虫科学研究会の設立だ。
今までは昆虫食に興味を持ち、研究を始めようとした学生は独力で文献を読み、知識を蓄えていく必要があった。
しかし、今後は当研究会がこのような学生の受け皿となり、情報を提供していくことで、学生は効率的に情報を収集できるようになるだろうと考えている。
そして、今後ますます多くの昆虫食研究者が生まれ、昆虫食の可能性が拡大していくことを期待している。


最後に、私の昆虫食に対する態度についてお話したい。
私は昆虫が苦手だ。もちろん食べるのも苦手だ。
何故、苦手なのかはわからない。昆虫は別に汚いものでもないし、毒でもないし、味も悪くないことはわかっている。
だけど、苦手だ。たぶん、論理じゃないのだろう。

この考え方は多くの人に共感してもらえると思う。
昆虫食を研究するにあたっては、決して不利ではない性格だと思う。
ちょっと苦しいことも多くあるが、その分大多数の人に近い立場で研究を行うことができるから。

昆虫食がただのゲテモノ好きの道楽としてだけではなく、一般的な食材として、科学のテーマとして、多くの人に認められるような日が来ることを願う。

<三橋亮太>

テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

私のイナゴ研究

 私は幼少のころ(80年代)、甘いものが好きでした。昼間、福島県郡山市の母方の祖母の家のテーブルには漬物や菓子が並んでいて、秋になると黒い色をしたイナゴもおやつ代わりになっていました。カルシウムがあるから体にいいと言われ、抵抗感も無くよく食べていました。甘くて臭みが無く、イナゴはチョコレートと同様に好きな食べ物でした。イナゴは当時自分の住んでいたいわき市の家にもあり、近所の家の食卓にも並んでいました。双葉郡浪江町の父方の祖父母はイナゴを捕っていませんでしたが、私の母方の祖母から送られるイナゴの佃煮を毎年楽しみにしていました。
 亡くなった父も小学校でイナゴ捕り行事をしていたと話し、母も田圃でイナゴを捕っていた経験があります。私は成長するとイナゴを食べなくなってしまいましたが、21世紀に入ってからも母方の祖母はイナゴを大量に捕り続け、近所の人におすそ分けし続けていました。
 大学院進学の際、テーマは何にしようか考えていました。特にこだわりは無かったのですが、秋にイナゴの佃煮を見て「これだ」と判断しました。イナゴに関する過去の文献を探してもほとんど見当たらなかったので、自分がイナゴの食慣行を研究する余地は十分にありそうだと考えました。実際に研究を始めると多くの人と出会い、毎日の研究生活がとても楽しく、意義のあるものでした。院生活一年目で東日本大震災に伴う原発事故で福島県のフィールドでの研究が困難になる事態になりましたが、何とか震災前の資料をもとに修士論文提出までこぎつけました。ここまで来れたのは研究会のメンバーをはじめ、私を支えてくれた多くの人たちのお蔭です。イナゴを研究して本当に良かったと思っています。

末永雅洋
 
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Author:E-ISM
食用昆虫科学研究会
(E-ISM ;Edible Insect Science Meeting)です。
このブログでは、E-ISMのメンバーが昆虫食に関わる色々なことを自由に気軽に書いていきます。

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